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農地におけるノハラナメクジの移動パターン [原著]

Ellis et al. (2020) Movement patterns of the grey field slug (Deroceras reticulatum) in an arable field. Scientific Reports 10:17970 (2020). 10.1038/s41598-020-74643-3

ノハラナメクジを異なる密度で放逐した個体の追跡調査から、移動パターンについて検討している。ノハラナメクジはかなり高密度な集団を作るらしく、それをコントロールできれば、ナメクジ被害をうまく抑えることができるのではないかというアプローチ。

Forbes et al. (2020)で用いたRFIDタグを利用した個体追跡データに基づいた研究。タグの付け方は同じ方法を利用しており、14日間のリハビリ後、野外に放逐した個体を10時間で10回の位置情報を記録している。ここから得られたデータに対して、discrete-time random movement frameworkを応用して、移動パターンの解析に利用している。

放逐直後の移動パターンは高密度区ではほとんど動きがないのに対して、低密度区では移動する個体がほとんどで、他の結果からも密度依存的な移動パターンを示す。ただし、高密度区は11個体のグループが一つだけで、低密度区は1個体が17グループあるので、高密度区のデータは追加収集する必要はありそう。
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