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付着散布植物の種子付着は動物の毛皮、体高、植物のフェノロジーに依存する [原著]

Sato et al. (2023) Seed attachment by epizoochory depends on animal fur, body height, and plant phenology. Acta Oecologica 119:103914.
https://doi.org/10.1016/j.actao.2023.103914

被食散布の研究と比べると付着散布の研究、特に動物側の視点に立った研究は、人なれした個体や飼育個体を除くと、野生動物を対象とすることは難しいので、情報は限定されている。この研究では、日本国内の森林で見られる中型哺乳類6種(アナグマ、ニホンイタチ、ハクビシン、アライグマ、タヌキ、アカギツネ)と付着散布植物7種を対象としている。

先行研究でも毛皮を利用した研究は多いけど、この研究では本剥製に車輪をつけたような模型を作成しているところがポイント。模型を林内で動かすことで、実際に動物が移動した際に種子が付着する高さや位置などの詳細な情報を調べている。種子の付着量に影響するのは、動物側の要因としては、毛の長さ、さらに植物体の高さと体高の重複具合なので、その辺は大型動物を対象にしたデータと矛盾していなさそう。

植物側の構成種の割合がこちらとは異なると思われるけど、イノコズチ、チヂミザサ、ミズヒキなどは共通しているので、比較すると面白そう。石川県だと積雪の影響があるので、付着散布植物の種子が残っていたとしても冬になれば、すべて倒れてしまう。こちらの調査地では、植物体が枯れても維持されるので、長期間にわたり種子散布できる。積雪の有無で地域間比較したら、植物側の形質に何か変化が見られないだろうか。
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