SSブログ

タンザニアのギンガオサイチョウの繁殖期の食性 [原著]

Cordeiro et al. (2016) Diet of the Silvery-cheeked Hornbill Bycanites brevis during the breeding season in the East Usambara Mountains, Tanzania. Orstrich 87:67-72.

タンザニアの山地林で鳥類による種子散布を研究していたCordeiroさんがギンガオサイチョウの繁殖期に14か所の営巣木を対象として食性を調べた研究。面白いのは、1940年代に論文として出されている内容と比較している点。アジアのサイチョウ類と比べるとアフリカの森林性サイチョウ類の繁殖期の食性情報は非常に少なく、ウガンダのKibale、とカメルーンのDjaで行われた研究くらいしかない。

調査地はタンザニアのAmani自然保護区で標高850-1000mくらいの山地林。2001年に14か所のギンガオサイチョウの営巣木の下に1x1mの種子トラップを高さ1mに設置して、巣から落とされるものを回収している。0.5cmより大きな種子は計数しているが、イチジクは果肉片を計数しているので、あまり正確ではない。

14か所の営巣木は8樹種14個体(Maranthes goetzeniana、Allanblackia stuhlmannii、Celtis midbraedii、Drypetes gerrardii、Anisophylle obtuisifolia、Parinari excelsa、Anthocleista grandiflora、Newtonia buchananii)。ウガンダ調査したことで、Parinari excelsaとかはイメージできるようになった。14か所で計5182個の回収物を得て、大部分は種子・果実で4861個。残りは脊椎動物が15個、無脊椎動物306個という構成。イチジク3種を含む果実・種子17種の大部分は、Maesopsis eminiiで93%を占めている。なんとここにもFicus altissimaがあるらしい。

1930年代に同じ地域で行われた研究でもMaesopsis eminiiは利用されているが、ここまで多くはなかった様子。75年前と比べると10-12週も繁殖時期が早くなっている理由として、Maesopsis eminiiの植林が増え、その大量の果実を利用することができるようになった可能性を指摘している。
コメント(0) 

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。