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ミナミジサイチョウの巣内の温度変動 [原著]

Combrink et al. (2017) Nest temperature fluctuations in a cavity nester, the southern ground-hornbill. Journal of Thermal Biology 66:21-26.

南アフリカのミナミジサイチョウの営巣環境を温度の視点から調べた研究。クルーガー国立公園において、2013-2015年にかけての2回の繁殖シーズンを対象として、ミナミジサイチョウ自然巣8箇所、人工巣1箇所に温度データロガーを設置し、繁殖期の巣内外の温度を記録している。自然巣の樹種はDiospyros mespiliformisが4巣、Philenoptera violaceaが2巣、Ficus sycomorus、Combretum imberbeが1巣ずつとなっている。Combretum imberbeはクルーガーで見たなあ。

ボタン式のデータロガーは最初、自然巣9箇所を対象としていたが、データを回収できたのは6箇所、二年目は4箇所とさらに減少する。しかも人工巣のデータは1箇所のみで、かなり苦しいデータ。ただ、巣内のデータロガーは親鳥や雛鳥に見つかれば壊されるだろうし、巣外でも壊されるので、仕方がない。作業仮説としては、巣内の温度変動は巣外よりも小さい。また、温度変動が繁殖成功に与える影響についても検討している。

平均気温は巣内のほうが巣外よりも高いが、最高や最低は巣外の方が高い傾向があるため、巣内の温度環境はより安定している。しかし、巣内の温度変動は繁殖成功には影響しておらず、もっとも変動が大きい人工巣でも両年とも繁殖成功していた。意外とミナミジサイチョウは温度変動にも強いのかもしれない。
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