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異形の果実をつける樹木:メガファウナ果実は絶滅に向かっているのか? [原著]

Zaya & Howe (2009) The anomalous Kentucky coffeetree: megafaunal fruit sinking to extinction? Oecologia 161:221–226.

北米に分布するマメ科Gymnocladus dioicusは川の近くや人間の居住地沿いに主に見られる稀な樹木だが、台地上にも時折見られる。現在の分布域では、一次散布、二次散布を行う動物は知られておらず、水散布だと考えられている。しかし、マメの鞘内には甘い果肉に包まれた大型の硬い種子が含まれており、通常の水散布の特徴とは大きく異なる。この研究では、この樹木の繁殖(雌雄異株)や生活史形質から、本来の散布者を類推している。

Gymnocladus dioicusの果実の形質の多くはJanzen & Martin (1982)やGautier-Hion (1985)などで提示されたメガファウナ果実に一致する。しかし、家畜にとって有毒な果肉であり、現在、ウシなどの家畜が代替的な散布を行うことはな点で大きく異なる。解毒能力は腸内細菌にも依存し、かつては現存する草食動物よりも体サイズが大きく、より解毒能力が高い草食動物が存在していて、それらが散布していた可能性を指摘している。

種子散布者が現存しないのに、生育している理由の1つには、種子食害者がいないことがあげられる。食害昆虫や病原菌がいないなんて、どんな種子なんだろうか?
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