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新熱帯の3種の種子食霊長類による一次散布 [原著]

Barnett et al. (2012) Primary seed dispersal by three Neotropical seed-predating primates (Cacajao melanocephalus ouakary, Chiropotes chiropotes and Chiropotes albinasus). Journal of Tropical Ecology (2012) 28:543-555.

霊長類は熱帯林における主要な種子散布グループの一つであるけど、東南アジア熱帯ではリーフモンキーのように種子食害がメインの連中もいる。この論文では、新熱帯の霊長類で種子食がメインのグループであるウアカリなど3種を対象にしている。種子食がメインと入っても、食べるときに母樹の林冠下へ種子を落とすこともあるし、口に入れた種子を全て食べてしまうわけではない。ただし、3つの研究は独立に行われており、発芽実験などの設定は調査地によって異なっている点に注意。

種子食の霊長類の食性論文は、さらっとしか読んでいないのだけど、未成熟の果実を利用が大部分で、熟した果実を利用するのはごく一部。何よりカオヤイはリーフモンキーが存在しない変な場所だったので、ちょっと勉強不足なのだけど、東南アジアのリーフモンキーでも大部分は未成熟の果実利用だろう。ただ、食べ残しの果実からもきちんと発芽するようだし、3種の糞からも健全な種子が見つかっているので、体内通過型の種子散布者としても貢献している。

似たようなことをしている人で集まって1つの論文にまとめたというところだろう。この辺は学会のシンポジウムなどで集まって論文化する方向に話が進んだのかな?ネズミもそうだけど、種子食害がメインの動物でも稀な種子散布者としての貢献度は意外と無視できない量なのかもしれない。
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