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変化する世界において果実食動物であるには [原著]

Corlett (2011) How to be a frugivore (in a changing world). Acta Oecologica DOI: 10.1016/j.actao.2011.01.005.

果実食動物が果実を見つけて、食べて、種子を散布するまでの6つのプロセスにおいて、現在までにわかっていること、今後明らかにする必要があることをまとめた総説。ただし、引用されているのは哺乳類と鳥類を対象とした研究がほとんど。

何を食べるべきか?
どこで果実を得るのか?
パッチ内でどの果実を食べるべきか?
呑み込むべきかどうか?
種子をどうするのか?
もう少し食べるべきか?

二つ目のどこで果実を得るのかが一番長いだけあり、最新の研究成果がまとめられているので便利。2009-2010年にかなり論文が出ており、必要な情報を探す手がかりとなりそう。空間記憶に関する研究は送粉者を対象とした研究が進んでおり、コウモリに関する論文がPLoS Oneに掲載されているらしい。

草食動物が果実の落下音から位置を特定する行動として、金華山のニホンザルとニホンジカの関係を調べたTsuji et al. (2007)を引用している。私も落下音で果実がなっていることに気がつくこともあるので、意外と音に頼っている可能性は高い。しかも林冠で果実食動物が騒いでいればなおさら。確かにプレイバック実験で、それらの効果を調べてみるのは面白い研究テーマの1つかもしれない。

ネイティブとはいえ、これだけの量の論文を3ヶ月で読んで1つの総説としてまとめるのはなかなかできることではない。Corlettさんの論文を読んで、そんな論文が出ていたのかと知ることが多いのは相変わらず。
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