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飼育下のニホンザルを対象とした種子の物理特性と体内通過時間の関係 [原著]

Tsuji et al. (2010) Effects of the physical characteristics of sees on gastrointestinal passage time in captive Japanese macaques. Journal of Zoology 280:171-176.

ニホンザルを対象とした種子散布の研究は過去10年間にかなり進んだが、多数の飼育個体がいるにもかかわらず、種子の体内滞留時間をきちんと測定した研究例は少ない(Otani 2004くらい?)。霊長類研究所で飼育されているメス5個体を対象とした給餌実験を行い、種子の体内滞留時間を測定している。種子の物理特性として種子サイズ、乾燥重量、体積、比重に着目して、これらの特性と最初と最後、平均の滞留時間との関係を調べている。

わたしが飼育個体を調査対象にできる環境なら、同じようなデータをさまざまな果実食動物を対象として行いたいところ。ただ、いずれも比較的小型の種子を持つ果実のみが調査対象であるのが残念。飼育個体に給餌できる餌に制限があったのか、実験的なアプローチということで、あえて野生の果実を与えなかったのかはわからない。また播種用の種子やガラスビーズをバナナなどに混ぜ込んで与えているので、実際の果実に含まれる種子との差異を検討する必要はあるが、目安としては使える。
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