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森林伐採により遷移後期の樹木に与える影響 [原著]

Kirika et al. (2010) Reduced abundance of late-successional trees but not of seedlings in heavily compared with lightly logged sites of three East African tropical forests. Journal of Tropical Ecology 26:533-546.

ドイツチームがケニアのカカメガの森を中心に行っていた一連の森林更新の研究の続き。この研究では、カカメガとウガンダの2箇所(BudongoとMabira)の森を調査地として設定して、それぞれの森の中で伐採強度の異なる場所に1haの調査プロット6箇所又は3箇所設定した力技の調査。Budongoの森では、天然林に6箇所、軽度の伐採林に3箇所、強度の伐採林に3箇所の12箇所、残りの森には軽度の伐採林に3箇所、強度の伐採林に3箇所のプロットを設定している。

森林伐採強度が上がると遷移後期の樹木が減少し、それにともなって実生も減少すると予測している。各調査プロット内でDBH10cm以上の個体を対象とした毎木調査を行い、樹木の種構成のデータとして利用している。各調査プロット内でBCIと同じように1m四方の実生枠を90箇所設定して、その中の実生を計数している。ただし、追跡調査のデータではなく一回だけのセンサスデータなので、調査シーズンによっては大きく異なる可能性はあり、その辺は考察でも議論されている。伐採強度の歴史を推定するのに開空度を利用しているが、全天写真を撮影しているのではなく、直径5cmで高さ5cmの筒で見上げて、直径のうち空が見える割合を用いている。そんなんでいいのか?

これだけの調査面積でも出現している樹種は160種に限られているので、かなり種多様性の低い森。実生になると更に減って、68種しか出現していない。樹木も実生もあまり傾向は変わらず、調査地による差はあるが森林伐採強度による差は見られない。先行研究と異なり、果実食動物の個体数などのデータは使われておらず、完全に植物のデータのみの論文だが、調査地の記載的な意味合いが強い感じ。考察には少なくとも散布型のデータを収集していることが書かれているので、続きが出るのでしょう。
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