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ボルネオの商業林における鳥類群集構造:林齢と構造の効果 [原著]

Styring et al. (2011) Bird community assembly in Bornean industrial tree plantations: effects of forest age and structure. Forest Ecology and Management (in press). DOI:10.1016/j.foreco.2010.11.003

熱帯には商業目的の植林地や果樹園は数多く存在する。一斉植林や単一樹種が用いられているため周辺の熱帯林と比べると非常に単純化した構造になる。ボルネオのサバ州とサラワク州で1ヶ所ずつAcacia mangium商業林として利用されている場所が調査地で、2年生、5年生、7年生の林分、更に商業林内の残存林の4か所を対象として、ポイントカウント法による鳥類群集の記録を行っている。

調査期間は1ヶ月程度(サバが2005年6月~7月、サラワクが2006年7月~8月)で大体同じようなシーズンだが、調査年が異なる。1kmのトランゼクトを設定し、50m毎に20カ所の調査点を設定している。各林分にトランゼクトの本数は異なるが最低5ヶ所を設定しているので、少なくとも100点分のポイントカウントデータに基づいている。種数累積曲線、ジャックナイフ法、シャノン多様度指数などを用いて、各林分の比較を行っている。密度推定にはDISTANCEを用いており、鳥までの距離を測定するためにlaser-rangefinderを用いている。

種数累積曲線についても残存林で圧倒的に高く、植林地では林齢が増加するに従い、種数が増加している。鳥類の食性ギルドとハビタットの嗜好性の解析にはmosaic-plotを使っているけど、グレースケールで印刷しているからかもしれないが、わかりやすいのか微妙な図。ただ、一目で植林地と比べて残存林で様々なギルドの鳥類がいるというのはわかる。

ただし、林分の環境パラメータは先行研究の値を利用しており、具体的なデータが出てこないまま解析に使われているのでちょっと読みにくい。林分で昆虫の組成を比較したような研究は東南アジアでは少ないようなので、考察での書きかたは参考になる。
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