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オカバンゴデルタにおけるムラクモインコの食物追跡 [原著]

Boyes & Perrin (2010) Aerial surveillance by a generalist seed predator: food resource tracking by Meyer’s parrot Poicephalus meyeri in the Okabango Delta, Botswana. Journal of Tropical Ecology 26:381-392.

18か月にわたる採食行動の観察からムラクモインコの食物追跡を調べた研究で、2009年から2010年にかけてOrstrichなどのアフリカ関連の雑誌に一連の研究が掲載されている。インコ類のような大型の種子食動物は餌となる食物資源を追跡して移動することが知られている。この研究ではムラクモインコがどのような形で食物資源を発見し、追跡しているのかを検討している。果実サイズや果肉の栄養成分、堅さ、種子の重さや味といった果実の形質は、景観レベルでの果実資源量の相対量と比べるとあまり重要ではないと仮定している。

ムラクモインコの主な餌資源はKigelia africana、Diospyros mespiliformis、Combretum imberbe、Ficus sycomorus、Diospyros lycoides、Combretum hereroense、Berchemia discolorなどで、さまざまな果実や種子を餌として利用している。主な調査期間は2004年8月~2005年7月までの1年間と2007年2月~8月までの半年間で、18ヶ月間の継続調査というわけではない。車で時速15~20キロで移動して、採食行動(採食場所の高さ、樹種、餌タイプ、採食バウト)を記録している。食性幅については、Hurlbert nich breadth indexを利用しており、食性幅が広いと1、狭いと0に近づく。

果実の色彩の記録方法としてCrystal Real Color Wheel http://realcolorwheel.com/aerialperspectivepalette.htm
なるものを用いている。Pure greenを0として、背景が緑色だった時に果実がどう見えるかというのを数値化して、二色効果の指標となるらしい。数値できるのは良いけど、結局は人間が判断しているのかな?

食性幅は季節を問わず0.5より大きく、ジェネラリスト型。18ヶ月間の調査で3926回の採食バウトを記録し、16科37樹種71アイテムに及ぶ。ツルの果実は食べないのか?基本は種子食で、さまざまな果実型の種子を利用している。Syzygium guineenseだけは果肉を利用する。果肉を利用するというよりはジュースを利用しているのではないだろうか?

基本的には林冠層で採食活動を行う鳥。例外的にDiospyros lycoidesを利用する場合、比較的低いところ(5m)程度にもくるらしい。ただし、この種は林冠ギャップや森林のエッジなどに高密度に密生する樹種らしいので、上空からでも果実が目立つのではないかとのこと。後は採食時のコンタクトコールを聞いて、採食場所を定位している可能性があるらしい。
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