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メガファウナの絶滅とその影響 [原著]

Corlett (2010) Megafaunal extinctions and their consequences in the tropical Indo-Pacific. In: Haberle, S.G., J. Stevenson & M. Prebble (eds) Terra Australis 32: Altered Ecologies: Fire, Climate and Human Influence on Terrestrial Landscapes. ANU E-Press, Canberra, pp. 177-131.

コレットさんからメールで送られてきた論文。2007年にBiotropicaに掲載された内容を増補した感じの総説。まずボルネオ、スマトラ、ジャワなどの島毎にメガファウナがいつごろまで生息していたのかをまとめ、次にその理由について検討し、最後にメガファウナが絶滅した結果として何が生じるのかをまとめてある。

メガファウナが減少した理由としては、環境条件の変化と人類の影響を組み合わせている先行研究が多いが、実際のところはよくわかっていない。というのもこの地域のメガファウナは徐々に減少しているところが多く、明確にこの時期と定義することが難しいらしい。

さすがにメガファウナの再導入を検討しているところは多くはないと思うけど、サラワク州のPFZではマレーバクの再導入が検討されたこともあるらしい。面白そうなのはアジアゾウの再導入。アジアゾウは使役に使われていた個体が多数いるが、生息適地が不足しており、導入する地域がないのが問題。一方、スマトラサイやジャワサイは個体数そのものが少なすぎて問題外。アジアゾウはかなりの地域で人間との軋轢が生じていることを考えるとマレーバクというのは結構イイ線をいっている対象かもしれない。

相変わらず良く勉強している感じがわかる総説。コレットさんの新しい論文を読むたびに知らない論文が多数引用されているからなあ。
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