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クック諸島におけるイチジクの種子散布 [原著]

Staddon et al. (2010) Dispersal of fig seeds in the Cook Islands: introduced frugivores are no substitutes for natives. Biodiversity and Conservation 19:1905-1916

クック諸島のラロトンガ島でイチジクの一種Ficus prolixaの種子散布者の有効性について量的・質的に調べた研究。クック諸島では一部の果実食動物が絶滅しており、多くの侵入種が果実を利用しているにも関わらず、実生更新がほとんど見られない状況。

ただし、6種の侵入種のうち、3種はネズミ、ニワトリとヤモリの一種で、まともに種子散布を行ないそうなのはインドハッカのみ。これはメンバー構成に問題がありそう。コウラウンとかいたら、間違いなく種子散布しそう。現生種として潜在的な種子散布者はハトが2種、ラロトンガカラスモドキ、トンガオオコウモリ、オカヤドカリがいる。

調査地は2つの島(ラロトンガとアティウ)で、ラロトンガでは森林ではないところ3個体、アティウでは森林2個体、森林ではない場所で1個体が調査対象。結実木での果実消費観察はあまり力を入れているわけではなく、のべ50時間程度。訪問動物は頻度が円グラフで示されているのみ。採餌実験と発芽実験の方に力を入れている感じだが、それでもサンプル数はそれほど多くはない。いずれの調査対象も訪れているのはインドハッカのみ。

糞から回収した種子の発芽実験まで含めると、有効な種子散布車になりそうなのは、原生のハト類。オカヤドカリは種子にダメージを与える場合もあるが、意外に種子散布をしている可能性がある点が面白い。
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