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チャイロスンダトゲネズミの移動パターンと分散能力 [原著]

Shadbolt & Ragai (2010) Effects of habitat fragmentation on the movement patterns and dispersal ability of the brown spiny rat (Maxomys rajah) in the planted forest zone of Sarawak, Eastern Malaysia. Biodiversity and Conservation (in press) DOI: 10.1007/s10531-009-9729-9

サラワク州に広がるAcacia mangiumの植林地(PFZ)におけるげっ歯類の生態を調べた研究。近隣の二次林で捕獲したチャイロスンダトゲネズミをPFZ内の小面積の二次林で放逐し、どのような行動パターンを示したのかを調べている。

基本的な追跡方法はWellsの研究と同じで、糸付け法による個体追跡だが、糸の長さが240mと長い。22個体を放逐し、そのうち15個体の平均追跡距離は170m、のべ2554mに及ぶ。最長個体では245mを追跡することに成功しており、先行研究よりも長い。

道路に遭遇した場合、道路を横切ったのは1例のみで、残りの10例では180度方向転換するか道路と並行に移動している。一方、トレイルでは半分の個体が反対側へと渡っている。こういったエッジに対した時の行動がクリアーに示されている点が保全上重要な意味があるとして評価されたのだろうか?

もちろん、こういった処理を行ったことで異常行動を示している可能性はあるが、チャイロスンダトゲネズミも比較的高いった処理には抵抗がないらしい。地面の上を歩いている時よりも倒木の上を歩いている時の方が直線的に移動しているとか、そうだよなあと思わせる点も多い。この辺はアカスンダトゲネズミと似ているかもしれない。人間につかまってもあまり気にしないというか…。

ただ、チャイロスンダトゲネズミの貯食行動と絡めた考察はちょっと書きすぎのような気がする。
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