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放飼ロバの付着・被食散布によって散布される植物 [原著]

Couvreur et al. (2005) Complementarity of epi-and endozoochory of plant seeds by free ranging donkeys. Ecography 28:37-48.

草食動物による付着散布について研究しているチームの論文の一つ。この研究では、海岸砂丘に放飼されているロバによる付着散布と被食散布を同時に扱っている点が珍しい。付着散布については、目の細かい櫛でブラッシング、被食散布については糞内容分析で種子をサンプリングして、発芽実験を行って種を同定している。

海岸砂丘で調査対象となる植物の種数は限られるだろうけど、同定はかなり大変な作業だろう。2000年の初夏から初秋にかけて、4階の調査を行い、付着散布から29種、被食散布から53種、計66種の種子を回収している。両方で見られているのが16種なので、付着散布されている種子でも糞として散布される頻度はかなり高いらしい。

基本は現存量の多い植物の種子が多いので、あまり選択して食べているという感じではないらしい。ただし、付着散布によって長距離散布が行われているかどうかについてはこの論文では検討していない。ただ、実験的に調べた論文があるので(Couvreur et al. 2004. Seed Science Research 14:147-159)、そちらも読む必要がある。
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