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爪跡からツキノワグマとマレーグマを判別する [原著]

Steinmetz & Garchelis (2008) Distinguishing Asiatic black bears and sun bears by claw marks on climbed trees. Journal of Wildlife Management 72:814-821.

東南アジアに生息するツキノワグマとマレーグマは生息環境の破壊や商業伐採などの人為的撹乱の影響に直面している。これらのクマの姿を見ることは難しいが、木に登った爪跡などの痕跡記録から、その存在を確認することはしやすい。しかし、同所的に生息する環境では、その有用性が限られてしまう。

ツキノワグマとマレーグマの飼育個体が木登り時につけた爪跡を利用して、爪間の長さを測定し、それに基づいて両種の判別モデルを作成している。さらにこのモデルを野外で発見した痕跡記録に応用し、その有用性を検証している。成獣を対象とした場合には、よい精度で2種を判別できているが、問題はツキノワグマのこども。10-12か月くらいの場合は、マレーグマと区別するのが難しいらしい。

こういった単純な方法で比較的簡単に区別することができるのはちょっと驚き。カオヤイのCinnamomum subaveniumについていた爪跡も同じような方法を応用してみたら意外と簡単に区別できたのかもしれない。実際は両種の分布が重複している地域はそれほど多くはないけど、実用性は高そう。

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