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北西インドの樹種の散布型と空間分布 [原著]

Datta & Rawat (2008) Dispersal modes and spatial patterns of tree species in a tropical forest in Arunachal Pradesh, northeast India. Tropical Conservation Science 1:163-185.

Aparajita Dattaさんの学位論文の一部で、21個の0.25ha植生調査プロットに出現した樹木を中心として散布型とその空間分布の対応を見ている。構成樹種、散布者ともにカオヤイと重複が多く参考になる情報が多い。51科165種1899個体が出現し、種数が多い科はクスノキ科(16種)、トウダイグサ科(11種)、クワ科(10種)、センダン科(9種)。同定できた128種のうち100種が動物散布型で、残り22種が風もしくは重力散布にされている。

ドングリが重力散布に含まれているのはどうなのだろうか?他の論文でもちょっと調べてみる必要がありそう。あと系統的制約を全く考慮していない点と樹木の空間分布パターンをvariance to mean ratioで解析している点は問題がある気がするが、10年前にはそれほど問題にされていなかったから仕方がないだろう。今年から新しくできたフリーアクセスの雑誌らしいが、この人が学位論文の内容を投稿してくれると引用しやすくてありがたい。

最後のAppendixには、調査対象の樹木とその果実を利用する動物相がまとめられている。学位論文の内容と比べるとかなり同定が進み、情報量がぐっと増えている。
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