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サイチョウによる種子散布 [書籍]

Kinnaird & O'Brien (2007) The ecology and conservation of Asian hornbills: Farmers of the forest. Chapter 7, Ecological services: farmers of the forest. pp. 155-183.

この本の副題にもなっている種子散布に関連した章。前半は空洞化、半空洞化した森林の概念について簡単にまとめている。この章の後半でこれに関連した話が展開される。間には動物の種子散布に関連した項目として、processing rate、moving seeds、seed germinationの3つについてまとめている。

飼育個体を利用した発芽実験についての未発表データが修士論文として掲載されているらしいが、基本的には種子食害を行わないという点は先行研究と同じ。Leighton (1982)にこれほど詳細な腸内滞留時間のデータが掲載されていただろうか?同じく飼育個体を利用した研究から大型のサイチョウ類の腸内滞留時間は78.6分となっているので、私が野外で確認したAglaiaやCanariumの吐き戻し時間はかなりいいせんかも。

スラウエシで行っていたラジオテレメトリーデータを再解析して、種子散布距離を推定している点は面白い。seed germinationのところではサイチョウの巣穴周辺での種子散布についての研究をまとめてあり、こちらもアフリカで未発表データがあるらしいので、どうにかして手に入れたい。ただ、かなり詳しく紹介されているので、大体の傾向はつかめるけど。Ecologyに掲載されたMcConkeyのオオコウモリの論文を引用しておくべきだと思う。
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