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砂漠生態系における種子散布 [書籍]

Bronstein et al. (2007) Fleshy-fruited plants and frugivores in desert ecosystems. In Dennis et al. (eds) Seed dispersal: Theory and its applications in a changing world. Chapter 7, pp. 148-177.

砂漠では動物に種子散布を依存するような植物の割合は非常に少なく、それらの果実を利用する動物相も限られているので、システムが比較的単純で、サボテンなどを対象として面白い結果が得られている。

この章のメインはイスラエルのOrhradenus baccatusのシステムとメキシコのCaspsicum annuumのシステムを対象として行われている研究。砂漠のシステムでは、果肉中の栄養だけではなく、果肉に含まれている水分そのものが重要らしいが、そういった形で動物が摂取する水分がどのくらいの割合になるのか安定同位体を用いるとわかったりするのだろうか?

砂漠では止まり木となる低木の個体数も限られているし、鳥が果実を利用して移動した先までを双眼鏡で観察して、即レーザー距離計で測定したりすることができるのは大きなメリットト。でも実際の調査はとても暑いんだろうな。Orhradenus baccatusは種子サイズが小さいので、ヒヨドリなどの小型の鳥類でも比較的長い腸内滞留時間を示しているのだろうか?

砂漠ではnursery planへの指向性散布が好まれそうだけど、砂漠システムで見られた状況が他の生態系システムにも当てはまるかというとちょっと微妙な感じがする。高山生態系とかだと一部当てはまるかも?

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