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爬虫類による果実食と種子散布の重要性 [書籍]

Valido & Olesen (2007) The importance of lizards as frugivores and seed dispersers. In Dennis et al. (eds) Seed dispersal: Theory and its applications in a changing world. Chapter 6, pp. 124-147.

動物による種子散布の研究は鳥類・哺乳類・アリ類を対象としたものが圧倒的に多く、爬虫類や魚類による種子散布はかなり色物扱いされてきた。果肉を利用するカメやトカゲはかなり多いけど、主な種子散布者だったのは昔の話として語られている場合が多い。しかし、先行研究などでは果実が食性情報として記載されていても、「植物」としてまとめられている場合がほとんどなので、正確な情報が文献から得られるものはそれほど多くない。

この章の著者たちは丁寧に文献情報を調べてあり、必要な場合には直接論文の著者に確認を取っている徹底振り。やっぱそのくらいやらないとね。今後、爬虫類の種子散布に関連した情報を探すには有用。Santamaria et al. (2007) のように量的な情報にまで触れている研究は多くはないが、今後、見逃されてきた相互作用系として増えてくるかもしれない。日本国内でも島嶼部などで果実食動物が少ないような環境ではこういった爬虫類による種子散布が意外と重要な場合もあるかもしれないが、誰か研究していないだろうか?

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