SSブログ

果実特性と種子散布者としての大型哺乳類の重要性 [書籍]

Donatti et al. (2007) Living in the land of ghosts: Fruit traits and the importance of large mammals as seed dispersers in the Pantanal, Brazil. In Dennis et al. (eds) Seed dispersal: Theory and its applications in a changing world. Chapter 5, pp. 104-123.

ブラジルのPantanalとよばれる湿地帯に見られる巨大な果実とその種子散布者についての考察。まずこの地域における果実と果実食動物の相互作用を記載し、さらに果実形質を他の地域(Atlantic rainforest、Ivory Coast、Okavango)で比較している。

林冠での果実利用の直接観察と林床での落果の果実利用を自動撮影装置による観察の両方を行っている点では貴重。さらに湿地林ということもあり、魚類の糞内容分析も行っている。この地域はアクセスが難しいせいか、大型哺乳類が比較的よく保存されている地域らしい。

ここでもmega-faunaシンドロームの定義としては体重が44kg以上の哺乳類というのが使われている。哺乳類に着目しているので、果実サイズ、色、匂いを定義している。種子散布者を喪失してもmega-faunaに依存していた植物が生き残っている理由として、そういった植物が長寿命で、短距離散布のみでも個体群が維持される可能性を指摘している。

コメント(0)  トラックバック(0) 

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。