タイ南部の天然林と果樹園の鳥類群集の比較

Round et al. (2006) A comparison of bird communities in mixed fruit orchards and natural forest at Khao Luang, southern Thailand. Biodiversity and Conservation 15:2873-2891.

Phi Roundがこんな論文をだしていたとは知りませんでした。2000-2001年にかけて、私がブードーでネズミを対象としているのと同じような方向性で鳥の調査をやっている論文。

比較しているのは果樹園、分断林、天然林の3つ。果実園で多いのはヒヨドリやハナドリの仲間で、林床性の昆虫食グループが極端に減少するらしい。分断林も種構成は果樹園と似ており、天然林とは異なるパターンが認められる。ここでもおとりを使った小型鳥類の捕獲は普通に行われているらしい。ブードーと同じタイ南部といっても、Khao Luangはかなり北に位置するので種構成が多少異なり、スンダ系の鳥類は全く同じような傾向はでないかもしれないけど参考にはなる。

調査回数はかなり限られているため、種数-調査努力曲線はまだフラットにはなっていないけど、Phil Roundが数日調査を行えば、その時期に分布している鳥は十分カバーできるだろうし、他の人が調査したところで、もっと少なく見積もられるだろうからな。引用文献で探しておくべき内容のものがあるので、これは参考になりそう。