ウェタの種子散布

Duthie et al. (2006) Seed dispersal by weta. Science 311:1575.

ニュージーランドに生息するバッタ目の大型昆虫(weta)による種子散布。昆虫に食べられた種子が糞から排泄されるタイプの種子散布って初報告。この昆虫はどうもニュージランドの動物相でかけている小型哺乳類が占めるニッチにいるらしい。

液果19種を実験室内で提示したところ全ての種が食べられた。完全に消化されてしまう種子も多いものの、5種は健全な種子が排泄された。排泄された種子と人為的に果肉を取り除いて発芽実験した場合は、排泄された種子の方で発芽率が高い。また野外で収集した糞からも健全な種子が見つかり、実際に発芽もする。

ただ、この昆虫は人間が持ち込んだネズミなどによって絶滅の危機に瀕しているものが多いので、こういった相互作用も崩壊しつつあるらしい。島って、変な相互作用が生み出されるのですな。まだまだ面白いネタはいたるところに転がっている。