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種子散布と実生の定着を結びつける [原著]

Lazaro et al. (2006) Spatial concordance at a regional scale in the regeneration process of a circum-Mediterranean relict (Buxus balearica): connecting seed dispersal to seedling establishment. Ecography 29:683-696.

Ecographyが好きそうな論文。地中海周辺に分布する遺存種の種子散布から実生の定着過程におけるspatio-temporal variationを調べている。同じ調査対象を用いた送粉関連の仕事はLazaro & Traveset (2005) Ecography 28:540-562に掲載されており、マスティングの論文はOikosで印刷中。学位論文の仕事だとすると豪勢。

この種の分布域ほぼ全てをカバーするスペイン、モロッコ、トルコを3カ国で調査を実施しており、のべ18個体群を調査している。もちろん調査努力は場所によって大きく異なり、トルコは個体群構成を調べているにとどまっているけど、大変な調査努力ではなかろうか?種子散布は自動散布で、果実が裂開して、種子を弾き飛ばすタイプらしい。4年間の継続データがあるというのはすごいことです。乾燥が実生の生存に大きな決め手になっているらしく、散水実験を行ったところでは実生の生存率も成長量も高い個体群が多い。ただ、全体としては非常に世代交替が進んでおらず、高齢個体が多い個体群が多いらしい。潅木だけどマスティングは一年おきに生じているらしく、こちらの論文も気になるところ。

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