コーヒー農園は森林性哺乳類のコアハビタットとなりうるか？

Williams-Guillen et al. (2006) Resource availability and habitat use by mantled howling monkeys in a Nicaraguan coffee plantation: can agroforests serve as core habitat for a forest mammal? Animal Conservation 9:331-338.

商業作物であるコーヒーを林床に植えたような場所が野生生物にとってどのような利用価値があるのかをホエザルの仲間を15ヶ月追跡調査した研究。私の修士課程の調査と同じような時期ですな。植生調査とフェノロジー調査と行動追跡の主に3つの調査を行っている。

植生調査は半径25mのプロットを30箇所調査地全域をカバーするように設置し、DBH20cm以上の個体を対象としている。フェノロジー調査もこれらの個体を毎月モニタリングしている。ただ、図1を見た限りではこのホエザルは行動圏がかなり重複しているように見えるのだけどおおまかな図ということだろうか？全個体を対象としたフェノロジーデータとホエザルが利用するフェノロジーデータを両方示してあるのは重要。

結論としてはホエザルはコーヒー園を好んで利用しており、コーヒー栽培の歴史が100年以上あり、過去20年くらいでホエザル個体数は増加傾向にあるらしい。ただ、ホエザルはまずくて、ペットにもならないから狩猟対象とならないのが主な理由らしい。他のクモザルなどはほとんどいない森。雑誌が雑誌だけに考察部分はかなり保全活動と関連したものになっている。