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侵入種が植物の繁殖共生系を破壊する [原著]

Traveset & Richardson (2006) Biological invasions as disruptors of plant reproductive mutualisms. Trends in Ecology and Evolution 21:208-216.

TREEの論文としては引用文件数が少ない気もするが、よくまとまっておりわかりやすい。基本的には島嶼系の結果が多く、加藤真さんの小笠原やニューギニアでのミツバチ文献が引用されている。データが多いのは同じく島国であるニュージーランドの文献。

結局、決定的な傾向というものは認められなくて、世界各地で侵入種による送粉系、散布系への影響はいろいろと報告されているけど場合によりけり。先日、Oecologiaの論文を引用していたGosperさんの学位論文も引用されている。研究例としてマダガスカルの例が挙げられていないが、島として大きすぎるのか?それとも森林がほとんど残っていないために、研究そのものができない?

もともとの生態系が複雑な場合は、基礎情報がないために、こういった侵入種の影響を評価することが難しいのも問題か。侵入種を取り扱う場合に、その破壊的な影響が議論されることが多いが、新しく形成される相互作用に着目した方が生態学的には面白いと思う。まあ実際に生態系が崩壊している現場の人にとっては、そんなことを言っている場合ではないか。

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