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農地の残存林が鳥類の保全とそれらの生態系サービスに貢献する [原著]

Munoz et al. (2013) Contribution of woody habitat islands to the conservation of birds and their potential ecosystem services in an extensive Colombian rangeland. Agriculture, Ecosystems and Environment 173:13-19.

放牧地のGallery forest(n=20プロット)、残存林(n=20)、生垣(n=10)の3つの環境で植生調査を行い、樹木の種構成とそこを利用する鳥類群集の対応関係を調べた研究で、鳥類による生態系サービスを評価しているわけではない。コロンビアの放牧地に残された残存林の有用性を評価することが目的。

Gallery forestと残存林では半径11.3mの円形の調査区を20箇所、生垣では、4x100mの長方形の調査区を10箇所設定して、DBHが5cm以上の樹木を対象とした植生調査を行い、枯死木の数、幹数、BA、平均樹高を求めている。各プロット内に複数地点で樹冠率を記録し、林床にはサブプロットを設定して、植被率を記録し、そこに出現した実生とそれらの散布型、種子サイズも記録している。

鳥類調査は各プロットで10分間のポイントカウント。各調査間隔を最低20日間空けて、少なくとも4回行っている。記録した鳥類の生態データ(体重、最小・最大卵数、好みの生息環境、生息環境の幅、攪乱耐性、主食と食性幅)は先行研究のレビューの情報を使っている。

各プロットの種多様性の評価には、アルファ、ベータ、ガンマ多様性とEstimateSを使って、植生情報はabundance-baseでChao1、鳥類情報は、incidence-baseでChao2を計算している。きちんとabundance-baseとincidence-baseのどちらで計算したのかを書いている論文は珍しい気がするけど、そんなものかな?群集レベルの解析には、PC-ORD1でMRPPやNMSを使っている。

予測どおり、Gallery forestは他の2箇所よりも植物、鳥類ともに記録されている種多様性は高い。いずれの調査区もendozoochoryで、種子サイズが0.5cm以下の植物が多い。うーん、新熱帯は種名のリストが掲載されていてもすぐにはグループがわからんものが多いので、せめて科レベルまでは記載して欲しい。NMSの結果から、残存林と生垣の植生は似ており、Gallery forestとは異なり、鳥類の種構成も同じ傾向を示す。

Indicator species analysisって普通に使われている解析なのだろうか?

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