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タイのブタオザルの果実食と種子散布 [原著]

Albert et al. (2013) Frugivory and seed dispersal by Northern pigtailed macaques (Macaca leonina), in Thailand. International Journal of Primatology 34:170–193.

カオヤイのブタオザルを対象とした研究で学位論文をまとめたAlbertさんの研究の一部。量的な有効性(利用する果実の種数、果実食の割合、糞あたりの種子数、処理した種子数)と質的な有効性(果実の処理方法、種子の発芽能力、散布先の環境、母樹からの距離、散布パターン)などを調査している。

追跡調査の述べ観察時間は1029時間。霊長類の調査としては短いといわれるのかもしれないけど、ブタオザルは行動圏が広くて追跡は結構大変なサル。ただ、GPSをうまく利用して、位置情報を詳細に記録している点は、私達が調査していた頃よりは便利。結実フェノロジーは、霊長類研究者がよく利用しているfruit abundance index (FAI)で評価している。

Appendixにブタオザルが利用した果実126種の一覧表がまとめてあるのは便利。ただし、HQ周辺を行動圏にしていた群れが調査対象なので、丸橋さんが調査対象としていた群れよりも個体数が少なく、道端で人間が与える餌に依存している割合も高いので、カオヤイのその他の群れと比べるとちょっと利用している植物に偏りがある可能性が高い。
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