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同所的に生息する6種のげっ歯類による貯食行動の差異 [原著]

Chang & Zhang (2011) Differences in hoarding behaviors among six sympatric rodent species on seeds of oil tea (Camellia oleifera) in Southwest China. Acta Oecologica (in press).

げっ歯類による種子散布の研究を精力的に行っている中国のグループによる研究。Leopoldamys edwardsi、Niviventer fulvescens、Niviventer confucianus、Apodemus draco、Apodemus chevrieri、Rattus nitidusaの6種を対象にCamellia oleiferaの種子を実験場内で与え、貯食行動を観察している。イントロで、複数種による貯食行動を野外で比較するのは難しいので、実験場を用いているとしているけど、自動撮影カメラによる調査を全く引用していないのはいかがなものか?

メインはこれまでにも報告されているLeopoldamys edwardsiによる貯食散布。個人的に着目したいのは2種のNiviventerで分散貯蔵が記録されている点。サンプル数は少ないし、実験場内での結果であるが、非常に貴重な記録。ただ、論文中ではほとんど強調されていないのが残念。

RでGLMを用いて解析しているが、適切な分布を選択すれば、わざわざカウントデータを変数変換して使う必要はないと思うのだけど?6種の行動パターンを比較しているが、統計的な差が見られないのは単にサンプル数が少なくて、ばらつきが大きい種がいる影響ではないだろうか?本当はサンプル数の大きいLeopoldamysやNiviventerでサンプル数の影響を考慮した場合、どのくらいの貯食活動が見られたのかを提示したほうがわかりやすいのではないかな。
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