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動物生態学におけるカメラトラップ:行動と活動パターン、第七章 トラの個体数を自動撮影データから推定する:野外調査と解析課題 [書籍]

O'Connell et al. (2010) Camera Traps in Animal Ecology: Methods and Analyses, Karanth et al., Chapter 7 Estimating tiger abundance from camera trap data: field surveys and analytical issues, pp. 97-117

インドでトラを対象に自動撮影カメラを用いた研究を20年近く継続しているグループによる研究紹介。基本的なスタンスは自動撮影カメラを用いたトラのモニタリングは有効な研究方法だと考えているが、さまざまな問題も抱えている点について簡潔にまとめた章。トラの研究はこのチームの方法を基本にしているところが多いので、実際に調査を行う人は役に立つ内容が多い。

自動撮影カメラはさまざまなタイプが販売されているが、どのカメラを採用するかは時と場合による。信頼性の高い個体数推定データを得るためには数十から数百台の自動撮影カメラを必要とするし、トラの場合は体の両側を撮影した方がよいので、一カ所に設置するカメラは必然的に2台になる。通常、トラの調査に用いられる予算はせいぜい数千ドル規模なので、必然的に値段が安い安い自動撮影カメラを用いることになる。

トラの調査で用いられている自動撮影カメラは通常、能動型センサーを利用したものが多く、受動型よりも過酷な環境条件の際にうまく作動するらしい。センサーの位置を確認している写真が面白い。写真が掲載されている場所は車が通過するような場所にもカメラを設置しているが、他のポイントはどういった場所に設置しているのだろうか?

フレーム中央で撮影されている写真なら、縞のパターンで個体識別できる気がする。彼らが用いている自動撮影カメラは比較的単純なシステムで、ゾウ対策などはとられていない。多数のカメラを広範囲に設置するので、ある程度の破壊リスクは仕方がないと考えているのだろう。トラブルシューティングをリストアップしておくことの重要性を強調しているのがフィールドワーカーらしい。

トラの餌となる有蹄類の個体数はトラ1頭当たり500頭くらいが目安になるらしい。
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