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オオハシとサイチョウのくちばしの比較研究 [原著]

Seki et al. (2010) Toucan and hornbill beaks: A comparative study. Acta Biometerialia 6: 331-343.

普段ならまず読むことのない雑誌だけど、サイチョウ関係の文献でヒットしたので、目を通す。軽くて丈夫な構造として、鳥のくちばしに着目したらしい。このチームは鳥のクチバシの構造に関連した研究をいくつも行っており、オオハシとサイチョウはそのうちの一つ。

材料はオニオオハシとシワコブサイチョウの2種。ただし、サンプルは死亡個体を用いており、いずれもN=1。生きたままでは測定は難しいだろうし、アジアのサイチョウの頭骨はなかなか手に入らないだろうからしかたがない。以前から頭骨をCTスキャンした写真を探していたので、引用するには便利。ただ、残念なのはサイチョウの調査対象がシワコブサイチョウであまりカスクが発達しない種である点。

オニオオハシのくちばしは全長の3分の1、シワコブサイチョウは全長の4分の1を占める。一方、体重ベースだとオニオオハシは13分の1、シワコブサイチョウは13~14分の1程度で、同じくらいらしい。ということは、オナガサイチョウの10分の1というのはサイチョウの中でも例外的に重いことがよくわかる。

CTスキャンの断面構造を見る限りはオオハシとサイチョウのくちばしは非常に良く似ている。いずれもくちばしの大部分はスカスカの構造で、外側の硬い部分を支えている。オオハシよりもサイチョウの方がスカスカの構造が緻密。構造的にはオオハシよりもサイチョウの方が丈夫ということのなのかな?
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