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シロボシコサイチョウのヒナの背面気嚢の発達と機能 [原著]

Downs et al. (2009) Development and functional significance of dosal air bags in nestlings of Monteiro’s Hornbill Tockus monteiri. Orstrich 80:53-58.

この論文を読むまで知らなかったのだけど、サイチョウのヒナは孵化後しばらくすると背中に気嚢が発達して、ある時期を過ぎるとしぼむらしい。この論文では、気嚢の発達過程を記録し、その機能について考察をくわえている。大量に巣箱を利用した調査が可能な調査地だからこそできる研究。最初からこのチームが開拓したのかと思っていたけど、かなり前にKemp夫妻が研究していたので基礎データがそろっていた種らしい。

気嚢は外皮と真皮の間に形成され、循環器系は直接連結されておらず独立した外皮系の器官らしい。51巣のべ262個体のヒナを対象とした詳細な観察によると気嚢は肩から背中に広がり、背面の全域を覆うまで広がるが、3週間後には消失する。物理的保護と温度障壁の2つの機能が考えられているが、気嚢は柔らかい構造物であり、物理的な保護にはあまり役立たないことから、温度障壁としての機能の可能性が高そう。ただし、ヒナの体温調節能力などは不明。
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