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ブルネイにおけるケランガス林分断化への小型哺乳類群集の応答 [原著]

Charles & Ang (2010) Non-volant small mammal community responses to fragmentation of kerangas forests in Brunei Darussalam. Biodiversity and Conservation (in press) DOI: 10.1007/s10531-009-9691-6.

東南アジア熱帯で小型哺乳類群集を対象とした研究のほとんどは低地フタバガキ林で行われており、ケランガス林でチョ木モニタリングを行っている研究は珍しい。実際は1989年に開始された研究らしく、膨大なデータがあるらしい。ただし、この論文で使われているのはその一部で、以下の8つの内容に関して検討している。

小型哺乳類の種多様性
行動圏が広い動物や特定の生息環境を必要とする種の消失
撹乱環境から分断化林へのジェネラリストの侵入
分断化林での捕食者の喪失
分断化林でのジェネラリストの行動空間の減少
分断化林での小型哺乳類群集構造の変化
分断化林のサイズに依存した小型哺乳類の個体数変化
分断化林における特定種の優占

調査地はさまざまなサイズの分断林7カ所(0.1-22.8ha)と連続林1ヶ所の計8カ所。調査方法は200mのラインに10m間隔でトラップを3個ずつ設置して、7日間連続捕獲を1回の調査として行っている。各調査地で5回の調査を2週間間隔で行っている。各調査地の捕獲努力量は、21x3x7x5=2205捕獲日なので、少なくはない。また、捕食者に関しては、自動撮影法により確認しているが、調査努力量は不明。

検討項目が多いので、各項目で簡単な結果と考察が書かれており、最後にまとめ的な考察がある変わった論文構成で、ちょっと読みにくい。私を含む日本人研究者が東南アジア熱帯で使っている自動撮影装置といえば麻理府商事のFieldnoteだけど、これを外国人が使った論文を初めて見た。
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