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林床性鳥類によるDendropanax arboreusの種子散布の有効性 [原著]

Figueroa-Esquivel et al. (2010) Seed dispersal effectiveness by understory birds on Dendropanax arboreus in a fragmented landscape. Biodiversity and Conservation (in press) DOI: 10.1007/s10531-009-9645-z.

天然林、40ha、3haの3つの森を対象として、ウコギ科Dendropanax arboreusの果実を利用する鳥類の種子散布者としての有効性を比較した研究。量的な要素としては、相対個体数、訪問頻度、糞に含まれる種子数、質的な要素としては、発芽実験を行っている。

メキシコの調査地として有名なLos Tuxtlas Research Stationとその周辺での調査。この地域では普通に見られる樹木で、南はボリビアまで分布している。果実サイズは1cm以下で、5-7個の種子を含んでいる、いかにも鳥散布型果実。

ただし、結実木での観察は51時間しかなく、カスミ網を用いた捕獲調査に基づいたデータが多い。捕獲調査のおかげで、実際に糞内容を確認できている点はメリット。ただ、もともとは捕獲調査を行っていて、糞から種子がよく見つかるので、ついでに結実木でも観察してみたという感じの研究。まあ、発芽実験のデータを加えている点は評価できる。

ただ、発芽実験の結果がかなり低いのは観察時間が十分ではないのだろうか?天然林でバフムジツグミTurdus grayi、分断林でモリツグミHylocichla mustelinaが有効性の高い鳥種として、あげられている。
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