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オオハシの種子散布 [書籍]

Holbrook & Loiselle (2007) Using toucan-generated dispersal models to estimate seed dispersal in Amazonian Ecuador. In Dennis et al. (eds) Seed dispersal: Theory and its applications in a changing world. Chapter 13, pp. 300-321.

ニクズク科Virola属の種子散布の研究はHoweの一連の研究に加えて、Sabrina Russoなどの研究も行われており、熱帯の樹木を対象とした種子散布系ではもっともよく研究されているグループ。オオハシ類が長距離散布に貢献しているのではないかという指摘は古くから行われていたが、オオハシ類によるseed shadowを推定したはじめての研究。

この研究では調査対象としたV. lflexuosaの果実を利用する動物相(13個体、400時間)、2種のオオハシ類の腸内滞留時間の推定、ラジオテレメトリー調査によるる単位時間当たりに移動する距離の推定を行い、これらの情報を組み合わせて、seed shadowの推定を行っている。seed shadowの推定は単純な解析方法を用いており、活動時間帯による際などは考慮していない。オオハシ類は果実食についての論文もごく最近で、サイチョウほど種子散布関連の研究は行われていない。

サイチョウ類よりも体サイズが小さいせいか、一度の訪問で利用する果実の量が平均1.5ってことは、一度に1-3個しか利用しないのか。行動圏は数十haでサイチョウよりもかなり狭いけど、種子はかなり分散されるのではないだろうか?彼女の個人ホームページにはEcologyに投稿中の論文のほかに遺伝子マーカーを用いた個体群構造の解析を行っている論文とオオハシの行動圏を調べた論文が準備中になっているので、まだまだ増えそう。

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