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大型草食哺乳類による種子散布 [原著]

Shiponei et al. (2006) Seed dispersal in the dung of large herbivores: implications for restoration of Renosterveld shrubland old fields. Biodiversity and Conservation 15:3161-3175.

南アフリカのフィンボスの保全に関連した大型の草食動物による種子散布の研究。具体的にはシマウマ、エランド、ワイルドビースト等で、自然環境の周辺に広がる古い畑に種子を運ぶという役割を期待した研究。古い畑で回収した糞から出現した種子の記録、発芽実験を行っている。糞から52種もの種子が発芽しているので、この系でも草本が中心ではあれ、かなりの種の植物が草食動物により種子散布されている。

問題なのは個体数ベースで35%の種が侵入種であること。知らない草本の学名ばかりでいまいちイメージが着きにくい。草食動物の種によって、糞に含まれる構成種は大きく異なり、エランドは原生の植物の種子がほとんどなのに対して、他の草食動物にはかなりの割合で侵入種の種子が含まれている。この論文では侵入種の散布にかなり貢献していることが示されているので、保護する側としてはちょっと問題な種子散布。

しかし、Janzenってこういった草食動物による種子散布の重要性に早くから着目していた点は驚かされる。考察でfoliage is the fruit hypothesisを持ち出しているけど、それは考慮しなくてもよいのではないかな?

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