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種子サイズのパターン [原著]

Moles et al. (2007) Global patterns in seed size. Global Ecology and Biogeography 17:109-116.

相変わらずシンプルなタイトルをつけるんですな。この論文も2005年のScienceやPNASの論文でも使用されている膨大な種子重データに基づいた研究。この論文では、緯度別に種子サイズのパターンを見た場合、生活型、植生、種子散布シンドローム、純一次生産量の4つの変数のどれが効いているのかを調べている。

基本的に緯度が高くなるにつれて種子サイズが小さくなるパターンが認められるのは過去の研究からも報告されているのだけど、この論文のデータは他の炉分を圧倒するもの。Moles & Westoby (2003)のJournal of Biogeographyの論文では、直線回帰していて、種子サイズが直線的に小さくなるとしていたのだけど、この論文では追加データと緯度を5度区切りにしたことで、20度から25度、すなわち熱帯から温帯へと移行するあたりで、急激にサイズが変わるところがあることを明らかにしている。

熱帯でも風散布植物の割合がかなり多いところもあるけど、ツルではないらしい。この論文に掲載されている図は熱帯、温帯、寒帯へと緯度によって種子サイズがどのように変わっていくかがわかりやすく表示されているので、講義とかにはよいかも。しかし、生活型や種子散布シンドロームのデータはunknownにしてあるカテゴリーが非常に多いので、解析としてどうなのだろうか?私の種子のデータも0.01g以下の種子の重さをきちんと量ることができるともっと良かったのだけどね。アブストの調査地にGlobalと書かれているのがなんともいえませんな。今はplant-herbivore interactionを地球規模で調べているらしい。

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