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脊椎動物が散布する樹木の長距離散布 [原著]

Hardesty et al. (2006) Genetic evidence of frequent long-distance recruitment in a vertebrate-dispersed tree. Ecology Letter 9:516-525.

カメルーンでサイチョウの種子散布がらみの研究を行っていた、Hardestyさんの論文。2004年の中国でお会いした。カメルーンチームはNSFの予算終了後、研究対象をかえた博士課程の人たちが、いろいろなところで動物の種子散布に関連した研究を進めている。

この論文は2005年のオーストラリアの学会で発表していた内容。雌雄異株の植物を対象として、マイクロサテライトマーカーを用いて、実生の父親と母親を明らかにしている。具体的に動物によって種子散布されたであろう実生の距離を明らかにしただけではなく、超長距離散布の実例としても重要。ただ、遺伝的マーカーを実生に対して用いたデータになるため、実際の種子散布過程でどのようなことが生じているのかは不明。

今後の課題としては、実際に特定の動物個体が種子散布した種子から発芽した実生のデータを収集することで、実際に種子散布に関わった動物を含めた形での研究を進める必要があるのではないだろうか。引用されている文献は分子データを用いて散布距離を推定したものが多いので、この辺もまじめに収集する必要がある。HolbrookさんもVirolaで同じような研究しているからな。

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