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動物生態学におけるカメラトラップ:行動と活動パターン、第五章 行動、活動パターン [書籍]

O'Connell et al. (2010) Camera Traps in Animal Ecology: Methods and Analyses, Bridges & Noss, Chapter 5 Behavior and activity patterns, pp. 57-69

自動撮影カメラを用いて動物の行動と活動パターンに焦点をあてた研究についてまとめた章。最初は自動撮影カメラ以外の調査方法として直接観察、電波発信機を用いた研究の短所についてまとめ、次に自動撮影カメラの有効性について具体的な研究例を提示して、概日リズム、捕食、採食、ニッチ分割と社会構造、生息場所とコリドー利用、繁殖などの項目ごとに紹介している。

概日リズムについて調べた研究例としては、ある種の活動ピークを調べた研究にとどまらず、同所的に生息するネコ科に着目して活動時間帯の差異を調べた半島マレーシアの研究やさまざまな哺乳類を対象とした研究例を紹介している。自動撮影カメラのデータを多数集めることで、必然的に集まるデータではあるが、活動時間帯から一歩先の事を言うのはちょっと難しい。

鳥の巣での捕食を調べた研究が意外と多いが、ほとんど読んでいない。鳥の雑誌に掲載されていることが多いのと、自動撮影カメラを用いた研究ということがキーワード検索などで引っかかっていないからだろう。ここで引用されている論文は収集しておく必要がありそう。食べ物、水、栄養などの採食生態に関係した論文は新熱帯の研究が多く、その他の地域ではまだ稀。塩場の研究は新熱帯の論文しか引用されていないのは時期的なことを考えると仕方が無いか。

ニッチ分割や社会構造を調べたという研究は自動撮影カメラのデータだけからどのくらいのことが言えるかということを考えると微妙。生息環境の利用や繁殖状態の確認は少なくともその時期の証拠には使えるかな。
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