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ツキノワグマによるヤマザクラの種子散布 [原著]

Koike et al. (2008) Fruit phenology of Prunus jamazakura and the feeding habit of the Asiatic black bear as a seed disperser. Ecological Research 23:385-392.

腸内滞留時間は5-37hで意外と短い。利用した果実の種子はほとんど無傷(96-99%)で回収されているし、発芽実験の結果も人為的に果肉を取り除いたものとほとんど変わらないので、基本的に種子食害を行なっている可能性は低い。

ツキノワグマに果実を利用されることで、他の果実食鳥類や哺乳類では期待できない長距離散布の可能性は増す。しかし、ツキノワグマが排泄した糞には一度に大量の種子が含まれることによる散布後の種子食害の影響と採食時の植物本体へのダメージを考慮すると微妙なところか?

前年度にツキノワグマに激しく利用されたヤマザクラでは翌年、繁殖しないとかあると面白いのだけど。ツキノワグマの場合、ラジオテレメトリーを用いた行動圏データは様々な地域で収集されていると思う。どこかの飼育個体を利用できるなら、腸内滞留時間を測定して、散布距離を推定することも可能なので面白いシステム。
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