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Why Birds Matter, Chapter 1 [原著]

Whelan et al. (2016) Bird ecosystem services. Economic ornithology for the 21st century. In Sekercioglu et al. (eds.) Why Birds Matter. Avian ecological function and ecosystem services. Pp 1-24.

「地球の出」の写真が扉になっているこの本のイントロ。最初はWeb of Scienceを利用して、ecosystem servicesが含まれる論文数の推移や主要な分類群(birds、fish、fungi、insects、mammals、plants、spiders)の論文数を調べている。Ecosystem servicesが使われた最初の論文が1983年に出版されてからしばらくはほとんど使われていないが、2003年のMillennium Assessment以降、論文数が急速に増えている。扱われている分類群としては、plantsが圧倒的に多く、次がfish、insects、birdsと続いている。

鳥類による生態系サービスを評価するには、生態系機能を評価することが必要だし、そのためには自然史、特に採食行動に関係する部分の情報が重要。この本では、3章で鳥類によるトップダウン効果、4章で送粉、5-7章で種子散布(一般、カモ類、カラス科)、8章で腐肉消費について扱っている。9章で栄養塩循環を扱っており、こちらは藤田さんと亀田さんの共著。

後半はeconomic ornithologyの歴史についての紹介。生態系サービスという用語はごく最近になって使われるようになったけど、economic ornithologyという視点はかなり古くから使われている。人間にとって鳥類は作物の害鳥にもなるし、作物の害虫をコントロールする益鳥にもなるが、益鳥としての視点は現在に至るまで、あまりよく知られてはいない。

economic ornithologyの歴史は自分ではまず調べることがないので、まとめてあるのは便利なのだけど、本文中で引用されている文献の一部が、章末のリストに掲載されていないのは残念。その辺はしっかり確認しておいてほしい。
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