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バングラデシュ・モドゥプール国立公園の落葉林における果実と果実食鳥類 [原著]

Khan & Ahsan (2015) Frugivorous birds and fruit plants in a deciduous forest in Bangladesh: A case study in the Madhupur National Park. Bangladesh Journal of Zoology 43:173-187.

ほとんど既存の情報が報告されていないバングラデシュにおける果実食鳥類による果実利用を調べた論文。2007年7月から2008年12月にかけて、2週間ごとにモドゥプール国立公園のShorea robustaが優占する森で調査を行っている。ライントランゼクト法による調査で、幅20-25m範囲に出現した鳥類を記録している。調査毎に2-3日、5時から18時にかけてトランゼクトを歩いており、かなり広い範囲を調査していると思われるが、トランゼクトの本数や距離は不明。目視と双眼鏡による観察で果実を食べている鳥類を見かけた場合は、餌の処理方法(丸のみ、丸のみ前につぶす、つつく、種子を破壊する)を記録している。調査中に見かけた果実や種子は採集して、サイズと湿重を計測している。

調査中に記録された果実食鳥類は11科29種で、カラス科7種、ムクドリ科とタイヨウチョウ科4種、ゴシキドリ科とハト科3種など。ヒヨドリ科は2種(Pycnonotus caferとPycnonotus jocosus)で、残念ながらサイチョウ類の情報はなし。一日を通して観察されているが、朝夕が活動のピークで、朝に23種、夕方に20種が記録されている。調査方法が不明だが、開花結実も記録しているらしく、開花ピークは3-4月で、底は12月、結実ピークは4月で、底は7月。利用した果実種数が多いの鳥はシリアカヒヨドリPycnonotus caferの38種で、次がモリハッカAcridotheres fuscusの22種、コウラウンPycnonotus jocosusの21種と続く。その他は10種以下の記録しかない。ただ、肝心の果実が利用された植物種リストは提示されていない。でも、まったく使われなかった植物が表にまとめられているのは不思議。もう少し生データに近い情報が掲載されているとメタ解析に使えるんだけど。

ただ、引用文献中にバングラデシュで行われた果実食絡みの情報が掲載されている点は使える。
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