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西ジャワの熱帯山地における低木の種子散布に対する果実食鳥類の役割 [原著]

Partasasmita (2015) The role of frugivorous birds in the dispersal of shrubs in submontane zone of tropical forest, West Java, Indonesia. Nusantara Bioscience 7:144-148.

西ジャワのPanaruban周辺で放棄茶畑(標高880-1100m)を利用する果実食鳥類を対象として、糞内容分析と発芽実験を組み合わせた研究。カスミ網を利用して鳥類を捕獲し(ただし、調査努力量や調査時期などは書かれていない)、捕獲された鳥類は60分間、鳥袋内に放置し、その後、放鳥している。種子同定は、文献と調査地内で採集した果実と種子の参照標本の比較から行っている。果実と種子は外部形態も測定している。糞内容分析から得られた種子は3処理の発芽実験(糞から回収した種子、果肉を取り除いた種子、果肉付きの種子)を行っているが、サンプル数がそれぞれの果実種の処理あたり10個と書いてあるけど、繰り返しはとらなかったということか?

捕獲された鳥類は6種(オレンジハナドリDicaeum trigonostigma、コシジロヒヨドリPycnonotus aurigaster、アカボシヒヨドリPycnonotus bimaculatus、メグロヒヨドリPycnonotuis goiavier、ハイバラメジロZosterops palpebrosus、シュウダンムクドリScissirostrum dubium)で、糞から回収された種子は7種(Rubus chrysophyllus、Polygonum chinesis、Breynia microphylla、Melastoma affine、Clidemia hirta、Sambucus javanica、Lantana camara)。うーん、表の略名が学名や英名ではなく、現地名の略名を使っているので、わかりにくい。外来種のアメリカクサノボタンとヒチヘンゲが含まれている。

捕獲鳥類はオレンジハナドリ5羽(糞回収5羽)、コシジロヒヨドリ14羽(12)、アカボシヒヨドリ9羽(7)、メグロヒヨドリ34羽(28)、ハイバラメジロ128羽(107)、シュウダンムクドリ3羽(3)で、かなり多くの個体で糞を回収できている。ただ、その先の発芽実験の図はよくわからん。普通に考えたら、3処理のうち、糞から回収した種子の発芽率を示していそう。発芽実験は砂培地と綿培地の二つで行っていて、綿培地の方が多少、発芽率が高い。

東南アジア熱帯において、山地林の果実食データは多くはないし、外来種を散布しているデータが含まれている点で貴重なんだけど、調査手法が情報不足なので、実験設定が不明なのと英文校閲されていないので解読が難しい。
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