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The ornaments of life: coevolution and conservation in the tropics, Chapter 3前半 [書籍]

Fleming & Kress (2013) The ornaments of life: coevolution and conservation in the tropics, Chapter 3, The resource base, p 63-106.

3章は花蜜食/果実食動物の餌資源となる花蜜や果実の栄養成分の基礎情報、これらの資源量が時間的・空間的にどのように変動するのかに着目している。特に群集レベルでの資源量の推定と花蜜食/果実食動物のバイオマスの対応に着目している。この辺は2章の後半で紹介した新熱帯と旧熱帯の花蜜・果実食の鳥類・コウモリ類の種数パターンから、新熱帯では餌資源量に動物のバイオマスが対応するが、旧熱帯ではそうならないと予測される。いずれも基礎的な情報だが、保全とも関わってくる内容を含んでいる。

前半はさまざまな熱帯地域において群集レベルで送粉者や種子散布者を定量化した情報から、鳥類や哺乳類が貢献している種数割合をまとめている。樹木に限定すると鳥類が花粉媒介に貢献する割合は0-10%、哺乳類は0-7%。新熱帯でハチドリなどが花粉媒介に貢献する植物には、着生植物や草本が多いのが原因。種子散布になると鳥類が26-94%、哺乳類が6-48%とかなり増加する。

花蜜糖度はハチドリ、タイヨウチョウ、ミツスイが利用する植物であまり違いはないが、糖類の構成はハチドリがスクロースリッチなものが多いのに対し、タイヨウチョウやミツスイでは、スクロースがほとんど含まれていないところがピークになる点で大きく異なる。新熱帯では、チョウ、小型のハチ、ハチドリ、大型のハチ、スズメガ、コウモリなどで利用する花の大きさや蜜量が異なることが知られるが、旧熱帯ではオーストラリアのミツスイの研究を除くと研究例に乏しく、ランビルのショウガやヤドリギの研究が引用されている。果実特性に関しては、Jordano (1995)の解析をベースにした議論だが、基本、新熱帯の研究がベースになっている。果肉に含まれるフェノール、アルカロイド、サポニンなどの有毒物質の効果については、もっと注目されても良いのかもしれない。
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