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The ornaments of life: coevolution and conservation in the tropics, Chapter 2前半 [書籍]

Fleming & Kress (2013) The ornaments of life: coevolution and conservation in the tropics, Chapter 2, Patterns and regional and community diversity, p24-62.

Chapter 1で紹介した動物や植物が地域レベルでは、どのようなパターンで分布しているのかをまとめている。前半は植物、後半は動物を扱っている。生物地理や系統地理に関する話題は5章と6章で言及するので、この章では、植物や動物の種数が地域ごとや環境条件(気温、降水量、標高)の傾度に沿ってどのように異なるのかを述べ、次に生物群集の構成が地域間でどの程度異なるのかを紹介している。

植物では、地域レベルでどのような種数(number of speciesまたはspecies richness、Sと表記される)や科のパターンが見られるのかをMorley 2000や毎木調査データを引用しながら紹介している。Corlett本と重複が多いが、筆者のフィールドである新熱帯の情報がより詳しく紹介されている。横軸に緯度をとって0.1haに出現する樹種を示した図2.2は樹種の多様性がどのように変化するのかイメージがつけやすいし、アジアやアフリカの森が樹木の種数の観点からどのような位置づけなのかわかりやすい。Janzen (1977)の論文で、新熱帯と東南アジアの林床植物の開花数について言及しているようなので読んでおこう。

動物は対象となる種数が少ないので、より定量的に地域ごと(新熱帯、アフリカ、アジア、オーストラリア)の花蜜食鳥類・哺乳類の種数がどのようなパターンを示すかを紹介している。対象地域の面積を対数表示しているので微妙だが、花蜜食鳥類の種数は面積に対してきれいな直線に乗る(4点しかないが)。一方、コウモリは新熱帯で種数が多いパターンを示す。地域内については、特定の分類群に着目して紹介しているが、アジアは花蜜や果実を利用する鳥類・哺乳類の地域内の多様性について、定量的に評価した研究に乏しい。果実食のデータはあっても花蜜食のデータが同じサイトで研究されてはいないか。

この本で残念なのは本文中で引用されている図の色使い。赤、青、緑を基本として使っているのだけど、わかりにくい。もうちょっときれいな図にできると思うけど。
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