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カオグロサイチョウとアカガシラサイチョウの音声を用いた個体識別 [原著]

Policht et al. (2009) Potential for the use of vocal individuality as a conservation research tool in two threatened Philippine hornbill species, the Visayan Hornbill and the Rufous-headed Hornbill. Bird Conservation International 19:83-97.

サイチョウ類の鳴き声を個体識別に利用した研究。音声で個体識別が可能であれば、かなり個体数推定には役立つ手法。カオグロサイチョウはEndangered、アカガシラサイチョウはCritically Endangeredにリストされており、ただでさえ個体数が少ないので、音声で個体識別が可能になることで保全対策も立てやすくなる。

東南アジアのサイチョウ類の音声を対象にした研究はオナガサイチョウでの研究とフィリピンでの記載的な研究くらいだが、アフリカではRaineyらの一連の研究によって、霊長類の警戒音を識別していることが知られている。特徴的な鳴き声を用いて、どの部分を使えば個体識別に使うことができるのかを検討している。

調査対象はいずれも飼育個体で、録音した音声をAvisoft SASLab Pro 4.38を使って解析している。この辺の解析が適切なのかどうかは良く解らん。DCAなどの多変量解析を使った結果、カオグロサイチョウで90%、アカガシラサイチョウで89%の正答率で、他種で音声を使った識別と同程度には出来ているらしい。ただし、識別ポイントは種によって異なる。サイチョウの音声に関する先行研究がまとめられているので、そういったものを探すときには便利。
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