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動物生態学におけるカメラトラップ:方法と解析、第二章 自動撮影カメラの歴史 [書籍]

O'Connell et al. (2010) Camera Traps in Animal Ecology: Methods and Analyses, Kucera & Barrett, Chapter 2 A history of camera trapping, pp 9-26

イントロの最初が野生動物に気づかれることなくじっくりと観察したいという願望は狩猟採集民の頃からだとはなかなか書けん。研究者が自動撮影カメラを応用して知りたい内容としては、ある場所にはどんな動物がいるのか、動物たちは何をしているのか、何匹いるのか、など多岐にわたる。より具体的には、稀な種の記録、種の分布、捕食、行動のモニタリング、個体群サイズの推定、出生率などが調べられている。

自動撮影カメラの歴史は生き物を写真に撮影するところから始まっている。この辺の古い情報はなかなか自分では調べきれないところなので、これだけまとめられていると便利。当然カメラは全てマニュアル撮影だったけど、1878年に馬が走るとシャッターが切れるシステムで撮影されたものが自動撮影カメラのはしりの一つらしい。20世紀前半までは基本的には、動物を撮影することが主目的で、調査などに応用するまでには至っていない。

野外の動物を対象として自動撮影カメラが応用されるようになったのは1990年代に入ってから。オーストラリアでけもの道を通過する動物や花を訪れる訪花者の記録、スマトラ島の熱帯雨林に暮らす哺乳類の行動パターンの記録などに使われたのが先行研究としては古い部類。パソの林床における果実食の研究も比較的古いけど、Malayan Nature JournalやJournal of Tropical Forest Scienceの論文が引用されていないのは残念。

1990年代に自動撮影カメラが野外調査に広く応用されるようになったのはWCSが調査方法の一つとして採用したことも大きな要因の一つだろう。
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