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種子散布者を失った西アフリカの熱帯林における樹木更新の空間パターン [原著]

Babweteera & Brown (2010) Spatial patterns of tree recruitment in East African tropical forests that have lost their vertebrate seed dispersers. Journal of Tropical Ecology 26:193-203.

少なくとも百年前には同じような動物相がいたウガンダのKibale、Budongo、Mabiraの3サイトで種子散布過程の比較研究を行っていたBabweteeraさんの一連の研究。先行研究のBabweteera et al. (2007)ではBalanites wilsoniana(90mm)に着目していたが、今回はさらに異なる果実サイズの4種Chrysophyllum albidum(40mm)、Cordia millenii(40mm)、Ricinodendron heudelotii(30mm)、Celtis zenkeri(10mm)が追加されて、散布者群集が異なる調査地間で実生の空間パターンに影響するかどうかを検討している。

具体的には、果実食動物の訪問頻度と結実木周辺における実生の分布パターンを3つの調査地で比較している。しかし、訪問頻度のデータの一部はBiodiversity & Conservationに掲載されている表、Balanitesの分布パターンのデータはBiological Conservationに掲載されたデータと全く同じものが掲載されているので、あまり新鮮味がない。新しいのはBalanites以外の実生の分布パターンのデータとそれらの結実木の訪問頻度と組み合わせた形で提示している部分。Balanitesで認められたような傾向が他種でも同じように見られるわけではないことを示している。

Appendixに調査地毎の訪問頻度を掲載している点はありがたいが、どの種に訪れていたのかは不明。カンムリコサイチョウ、シロクロコサイチョウ、ハシダカサイチョウなどが訪れていたらしいが、食べていた可能性が高いのはCeltisか?

こう行った形の比較研究はカオヤイでもできるはずなので、なにか面白い研究対象がないか考えてみたい。ゴルフ場内の分断林をうまく利用できると面白いかもしれない。
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