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Prunus mahalebの交配パターンと遺伝分散に関する論文へのコメント [意見]

Herrera (2009) A comment on Garcia et al. (2005, 2007) and related papers on mating patterns and gene dispersal in Prunus mahaleb. Molecular Ecology 18:4533–4535.

何気なくHerreraのサイトをのぞいたら、Jordanoチームの研究にコメントしているので読んでみた。Jordanoチームの研究は実際に国際学会などでも聞いたことがあるし、論文もいくつか読んでいる。隔離個体群のすべての親候補(196個体)をリストアップした研究で、遺伝マーカーを種子散布に応用した研究としては最先端を走っているグループ。

先行研究ではJordanoチームの調査個体群から最も近い個体群は1.5kmとされており、その圏内の繁殖個体はすべてサンプリングされていると述べられている点へのコメント。ヘレラがその周辺1.5km圏内で300個体以上の潜在的な繁殖個体を確認しており、これまでのPrunus mahalebに関連した研究の結論の妥当性に問題があるのではないかという点。

両親候補を十分にサンプリングしていない場合の問題点としては、両親候補として決定された個体が過大評価される点と、マッチングしなかった個体を周辺個体群以外の長距離散布として解釈している点。散布された種子の20%が1.5km以上遠くからの長距離散布だと解釈されているが、実際は周辺個体群の未サンプリング個体から散布された可能性がある。

ということで、この個体群を対象とした研究の解釈には注意しないといけないとのコメント。コメントの最後に引用している一文がなかなか強烈で、i.e. spend more time in the field。いや、そうですとも。でも誰か詳しい人が解説してくれないかな?
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