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共同繁殖を行うノドジロヒヨドリの巣立ち後の生存 [原著]

Sankamethawee et al. (2009) Post-fledging survival of the cooperatively breeding Puff-throated Bulbul (Alophoixus pallidus). Condor 111:675-683.

カオヤイのテナガザルチームの30haプロット内に生息する小型鳥類を研究していたGaleさんのグループの大学院生の論文。カオヤイの林床においてもっとも普通な果実食鳥類の一種ノドジロヒヨドリの巣立ち後の生存を調べた研究。東南アジア熱帯に生息する小型鳥類を対象としてこれだけ精密な生活史情報を得た研究は初めてではないだろうか?

モーシント―の調査地で小型鳥類を対象とした捕獲調査が開始されたのは2003年で、ちょうど私がカオヤイを離れてから。それ以降、継続的にカスミ網を用いた捕獲調査を行い、30haの調査地内に生息する小型鳥類を個体識別している。調査努力は半端ではなく、3年間で発見した営巣数は98、152、74に及ぶ。大きく変動しているような気もするが、これは何が影響しているのだろうか?

ただし、非常に営巣時の捕食圧が高いため、巣立ったヒナ数は23、37、27。そのうち、生存率を評価できているのは17、24、22例に過ぎない。ヒナ時点から標識しているので、巣立ち後の生存は足輪を確認することで、標識再確認データをMARKで解析している。over-dispersionにも対応した方法として、QAICcなるものを使った解析のようだ。

まあ、解析はともかく巣立ち後8週間の生存率は60%程度で、他の熱帯林の小型鳥類とあまり変わらない値らしい。ただ、死亡要因を明らかにすることが難しいから、何がきいているのかは何とも言えない。
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